チワワのコタと糖尿病サラリーマン

40代サラリーマン。仕事のストレスで2型糖尿病になり食事管理、運動療法しながら血糖値コントロール。家に帰るとチワワのコタに癒されただ今自分のゼロを探して放浪中

中国と日本の若者ネットワーク格差

ヘルシーライフでアンチ・メタボをめざす医療健康情報サイト「セルフケア&キュア」
中央公論 2008年12月号 p152-159

    経済格差より恐ろしい?!
    日中の若者を苦しめる「新・ネットワーク格差」
    原田曜平(マーケティング・アナリスト)
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 これまで「ネットワーク格差」というと、ネット検索技術があるかどうかといった、いわゆる「技術格差」だった。しかし、本格的な情報化社会を生きる日中の若者の前には、個々人の「技術」や「経済状況」とは無関係に、巨大なネットワークが広がっている。
 例えば、こんな高卒のフリーターもいた。日本と中国が経済的に密接な関係になるにつれ、日本に来る中国人留学生も毎年増加し、東京のコンビニや居酒屋を見れば、日本人よりも中国人の若者の方が多いくらいだ。こうした状況下、彼は同僚の中国人と仲良くなり、中国語をマスターし、中国の様々な都市に行き、着々と経験値とネットワークを拡大している。彼は経済的に
恵まれてもいないし、ネット技術も人並みだろう。
 しかし、大学に通い第二外国語で中国語を学んでいる学生よりも、商社や自動車メーカーに入り、出世コースとして中国転勤を希望する大学生よりも、格段にネットワークを広げることに成功している。

 「インターネットを使えば何でもできるんです」中国の若者と話していると頻繁に出てくる言葉だ。インターネットが普及したことによって、幼い頃からネットに触れて育ち、情報化された若者が世界中で増えている。本稿では、日本と中国の若者が、インターネットによって、どのような問題に直面
しているのかを解説したい。
愛車いくら?
 まずは、中国の話からはじめよう。2008年、中国のインターネットユーザーは2億5300万人に達し、アメリカを抜いて世界一になった。ネットユーザーの年齢比率を見ると、68.6%は30歳以下となり、日本以上に「インターネット=若者」という図式が成り立つ。主役は「80后(バーリンホウ)」。中国語の「后」は、日本語で「後」という意味で、「80后」とは1980年代生まれの若者を指す。現在の年齢でいうと19〜28歳。数年前の反日運動の主役も彼らであるし、オリンピック時に各国の聖火リレー妨害に反対したのも彼ら、四川大震災が起こったときに、こぞってボランティアで現地に赴いたのも彼
らなのは、ご存知の方も多いだろう。

 では、「80后」はパソコンで何をしているのか。まず、彼らは、インターネットを通じて、世界中のドラマや映画を見て、音楽を聴いている。たとえば、日本で放送されたドラマを、「字幕組」と呼ばれる学生集団が、その日のうちに中国語の字幕をつけてネットにあげてしまう。日本のアニメも同様だし、ファッション誌も漫画も、ページをめくる機能がついているウェブサイトで読めてしまう。日本にとっては、著作権について由々しき問題が残るが、意図せず「80后」に日本文化が染みつきつつあり、メンタリティが日本化する傾向にあるのは事実だ。

 中国国内の人気テレビ番組も、中国版 YouTubeと呼ばれる「土豆網」にアップされるのでテレビの機能も果たす。「消費」もする。中国の場合、強引な販売活動が店頭で行われているので、「80后」の間では、ネットショッピングやネットオークションが、購買スタイルの主流とまで言える状況になっている。ブロガーも多く、自分の素顔やセクシーショットを平気で載せる。
個人情報、どこ吹く風。 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
も友達を「奴隷」として売り買いできるゲーム性の強いものが流行っていて(「開心網」)、日本の SNS以上に刺激的である。
 こうして「80后」は、パソコンの前に居ながらにして、「何でも」できてしまうようになった(少なくとも彼らはそう錯覚している)。その結果、学校や会社から帰ると自室に引きこもる若者が増加している。

 一方、日本の若者はどうか。ネットの“効用”による引きこもり現象は日本の若者にも見られる。
 先日、ある女の子(18歳、フリーター)から、面白い話が聞けた。彼女は幼い頃から東京の国立市に住み、今も実家に住んでいる。高校を中退し、ほぼ 365日、地元のガソリンスタンドでアルバイトをしている。地元の幼馴染たちも一緒にバイトをしているので、仕事が終わるとみんなで遊びに行く。
毎日がとても楽しく、彼女が国立市から出ることはない。新しい友達が増える機会もない。行動範囲も交際範囲も蛸壺化している。
 とはいえ、彼女の携帯電話には、過去のたくさんの友人(知り合い)のメアドが入っていて、 SNSにもたくさんの友人(知り合い)が登録されている。バーチャル上のみでの連絡は取り続けている。それでかえって、自分も他のエリアに行った気になり、友達を増やしたような気になる。でも実際には、幼い頃から同じ土地で、同じ友達と過ごしている。
 これは何も高校生やフリーターだけの傾向ではなく、高校時代から携帯電話を持ち始めた20代にもあてはまる。
MMOバトルアクション ゲットアンプド2
 これまで、肥大化するネットワークを前にした日本と中国の若者の共通点を述べてきたが、一つだけ大きく違う点がある。それはネットワーク構築の基本ツールとして、パソコンを使っているか、ケータイを使っているかだ。
 上海サーチナの調査によると、中国のネットユーザーのうち、半年内にモバイルでインターネットに接続した割合は28.9%なので、日本に比べるとまだまだモバイルからのネット接続は少ない。日本の場合は「インターネット=ケータイ」という図式が成り立つ。今の高校生や大学生は、多くが中学生のときからケータイを持たされるので、パソコンのスキルを身につける前に、ケータイにはまってそれで十分と思ってしまう子が多い。
 これは意外に大きな変化を生む。ケータイはパソコンとは違い、常時接続なので、ネットワークとの関係性はより長く、より密接だ。私が取材した高校生はこう言う。「僕は渋谷に行くのが嫌なんです。必ず誰かに見られ、翌日学校に行くと『お前、女の子と歩いてただろ』とか言われちゃうんです」。
大繁華街の渋谷で、必ずだれかに会ってしまい、その情報が多くの人に回ってしまう。いわば「村社会」が復活しているのだ。そしてその村社会は、かつてのものよりも規模が大きいし、どこか違う街に行っても逃れられない。

 ネットワークの「拡大」は、個人の意思を超えて世界規模で起こっている。今問題なのは、インフラとしてできあがったネットワークを、ポジティブに有効活用するか、それともネガティブに使用して「引きこもる」かだ。いわば「新・ネットワーク格差時代」が生まれている。前述したグローバル化するフリーターの例もその一つだが、この格差は学歴や所得の格差以上に、今後大きな格差になっていく可能性を秘めている。




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